スイッチング電源のノイズ低減に関するLINNの特許について

スイッチング電源のオーディオへの採用自体は決して新しいことではなく、1970年代後半(私はまだ小学生でしたが)にはSONYが「パルスロック電源」という名称でプリメインアンプに採用していました。現在ではコンピューターやストレージのようなIT機器では、高効率・省スペースで大電力を供給可能なスイッチング電源がほとんどすべての機器で採用されています。

一方、オーディオ機器では、スイッチング素子やトランス、整流ダイオードなどから発生する高周波ノイズのオーディオ回路への影響を嫌って、現在でも商用交流電源をトランスで降圧、ダイオードで整流後に大容量の電解コンデンサを組み合わせた所謂「アナログ電源」が今でも主流です。

先述のCHAKRAアンプに関する特許を調べていた際に、LINNがスイッチング電源のノイズ低減方式に関する特許を1999年に取得していることを見つけました。

国際特許番号 WO 1999065135 A1 「NOISE SUPPRESSION SYSTEM FOR A POWER SUPPLY」 がそれで、ハーフ・ブリッジ回路方式のスイッチング電源において、高周波トランスの1次・2次巻線間の寄生容量を通じて電源出力に漏れてくるノイズを、フィードフォワード回路および1次・2次間に接続した小容量のコンデンサにより打消してノイズを低減するというものです。

この回路の有用性は、小容量のコンデンサでも比較的低い周波数までのノイズが低減可能なことにあります。これをコンデンサの「物量作戦」で低周波ノイズまで低減しようとしても、コスト・スペースの制約以外に、アースへの漏洩電流が大きくなり各国の電気に関する安全規格を満たせなくなるという根本的な制約があるのです。(これは感電や漏電ブレーカーの誤動作防止のために必要です。)

ちなみに、CHAKRAアンプの特許も本特許も、発明者欄にはWilliam Miller氏と書かれています。順番的には本特許の方が先で、CHAKRAは2004年でした。

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